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カタリテ

自分のための敵が居ないニアが好き

デスノにハマった時は、夜神月が性癖にクリティカルヒットしたタイプの月とLの関係性大好き人間だったんですが、とあるサイトさんの影響でニアのことも実はけっこう好きです。

ただ原作12巻までの強敵としてのニアではなくて、どちらかと言うと原作終了後の短編集の頃のニアが色々と悩ましいものを抱えていて性癖に来ます。


ニアの人生は『自分の為の、対等な好敵手が居ない天才』みたいなところがあって、そこが本当に素晴らしい。


無論、ニアの人生において一番の強敵だったのは月なんですが(メロが居なければ偽ノートに気付かず死んでいた)、月はニアのための敵ではなかったというか、夜神月はどこまでもLのための敵だったと思います。

夜神月は基本的にLが大好きすぎるというか、心の奥底にずっとLの幻影が残ってるので、ニアのことも最期まで「あのLの意思を継いだ子供」としか見ておらず、ニアを殺す=Lの意思を跡形もなく殺す。みたいに、直接ニアのことは見ていないところがある。

あくまでデスノート本編は、二人の天才、夜神月とLが互いを殺す物語であって(Lは月に操られた死神によって、月はLの意思を継いだ次世代の子供によって)、ニアはどこまでもLの代理であり一種の名脇役。

そして本編が終わって短編集の頃になると、Lも月も居ない世界で、ニアは世界最高峰の頭脳を持った探偵『L』として主役になれるんですけど、でもニアの物語には『キラ』が居ないんですよね。

Lにとっての夜神月のような、こいつを捕まえるためなら命をかけてもいいと思えるような、自分のための、唯一無二の好敵手が居ない。一番その可能性があったメロは死んでしまったし、仮に月がリュークに殺されず生きていても月はLのための好敵手なので絶対にニアは見ないし、ニアも『キラ』を捕らえた責任として月が死ぬまで誰も関わらせたりはしない。


そうなると、ニアはかつて夜神月を苛んだ『退屈』を感じているんだろうなと思います。無論Lとして世界の未解決事件と関わることは出来るんですが、命をかけるに値するような事件、犯人には出会えていない。

そんな時、唯一ニアの興味を引いたのがAキラである田中実だった(わざわざ日本に行ってまで会いたがってる)けれど、でもミノルはニアが認める才能があったのに『キラ』にはならなかった。

おそらくミノルに何かしらの思想があれば、ミノルは月に匹敵するほどの『キラ』になれていたんだろうけど、ミノルにはそんな思想も自分が世界を良くしようなんていう気概もなくて、ただ金儲けのためにノートを使うので、ニアの求める『キラ』にはなってくれなかった。

(そう考えると、月はいくらノートを試してみたら本当に人が死んでしまった罪悪感から逃避するという理由があったにしても、そこから私利私欲を棄て自分の精神を犠牲にしてでも善人のための世界を作ろうとしたんだから、本当に歪んだノブレス・オブリージュを抱えていたよね…)

ニアはLになってから初めて負けたと言っていたけど、そもそもミノルとはLと月のように互いの存在を意識して戦うことすら出来なかったから、正確に言うとニアは負けることすら出来なかったのかなと思います。


そんな感じで、キラ不在のL、というニアがとっても好きです。

いつかそんなニアの葛藤踏まえたニア→ミノルみたいなお話を書いてみたい…。


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